犬・猫の下痢について(夜間の受診の目安)
夜中に急に下痢をしてしまうと、
「今すぐ病院に行くべきか」「朝まで様子を見てもよいか」と悩まれる方が多い症状です。
下痢は軽い胃腸炎から、命に関わる重い病気や感染症が隠れている場合まで、原因はさまざまです。
迷ったときは、状況をお電話でご相談ください。緊急度の目安をお伝えします。
① すぐに受診を検討してほしい下痢のサイン(血便・黒色便・嘔吐)
次のような場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。
- 夜に急に何度も下痢をする
- 水のような下痢が止まらない
- 元気がなく、ぐったりしている
- 短時間に何度も続けて下痢をしている
- 水のような便が続いている
- 下痢と一緒に嘔吐もしている
- 血が混じった便(血便)や、黒っぽいタール状の便が出ている
- 明らかにお腹が痛そうにしている(背中を丸める、触ると嫌がるなど)
- 子犬・子猫、高齢の子でひどい下痢が続いている
- 腎臓病・肝臓病・糖尿病・免疫疾患などの持病がある子の下痢
特に血便・黒色便・ぐったり・嘔吐を伴う下痢は、夜間に急速に悪化することがあります。
「朝まで様子を見るか迷う」場合でも、一度ご相談ください。
② 様子見ができそうに見えても、相談をおすすめしたいケース
一見軽そうに見える下痢でも、次のような場合は注意が必要です。
- 元気はあるが、1日に何度もゆるい便が続いている
- 下痢が数日間続いている
- 下痢とともに、普段と違う食欲(少し食べる量が減っているなど)がある
- 最近フードを変えた、いつもと違うおやつ・ごはんを食べた
- 誤食の可能性がある(骨・おもちゃ・人の食べ物など)
- 便に少量の血や粘液が混じることがある
下痢が続くと、脱水や体力低下を起こしやすくなります。
「今すぐ病院か、明日のかかりつけか」を迷うときも、お電話でご相談ください。
③ 自宅での注意点(やってもよいこと・避けたほうがよいこと)
軽症と思われる場合に、家庭でできる対応と、避けてほしい対応をまとめました。
■ やってもよいこと
- 一時的にフードの量を少し減らす(ただし、長時間の絶食は自己判断で行わない)
- いつでも新鮮な水が飲めるようにしておく
- 便の状態を写真で残しておく
■ 避けてほしいこと
- 人間用の下痢止め薬を飲ませる
- 手持ちの薬を自己判断で使用する
- 長時間の完全な絶食や断水
- インターネットの情報だけを頼りに、「大丈夫」と決めつけてしまうこと
特に人間用の薬は、種類によっては中毒や重い副作用の原因となることがあります。
使用の前には必ず獣医師にご相談ください。
④ 受診前に確認しておいてほしいこと
診察をスムーズに行うために、可能な範囲で次の点をメモしておいていただけると助かります。
- 下痢が始まった時間や日数
- 1日に何回くらい便をしているか
- 便の性状(
水のよう/やわらかい/形はあるが崩れる、血が混じる/粘液がある/黒っぽい など)
- 嘔吐の有無と回数
- 食欲・元気・飲水量の変化
- 直近で変えたフードやおやつの有無
- 誤食の可能性(骨・おもちゃ・布・人の食べ物など)
- 子犬・子猫の場合は、ワクチン接種歴や寄生虫予防の状況
便を少量、袋や容器に入れてお持ちいただくと、検査の役に立つ場合があります。
⑤ 犬・猫の下痢で考えられる主な原因
- 急性胃腸炎:食べすぎ、急なフード変更、消化不良などによる一時的な炎症。
- ウイルスや細菌の感染症:特に子犬・子猫では重症になることがあります。
- 寄生虫:回虫、鉤虫、コクシジウムなど。
- フードやおやつが体に合っていない:アレルギーや食物不耐性など。
- 誤食:骨・異物・中毒物質などによる腸炎や腸閉塞。
- 膵炎・肝臓病・腸の腫瘍などの内臓疾患。
- 子犬・子猫の感染症(パルボウイルスなど、命に関わるものを含みます)。
下痢だけでは、軽いものか重いものかを見た目だけで判断することは難しい症状です。
少しでも不安があれば、ご相談いただくことをおすすめします。
⑥ 迷ったときは、まずはお電話でご相談ください
「今すぐ受診したほうがいいのか」「朝まで様子を見てもよいのか」「どの程度の検査や治療が必要になりそうか」など、
不安な点があれば、便の写真や回数、現在の様子をお電話でお聞かせください。
いただいた情報をもとに、緊急度の目安や受診の必要性を、できる限りわかりやすくお伝えします。
※ 本ページは、夜間救急に従事する獣医師の臨床経験をもとに作成しています。
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夜間の受診に備えて、あわせてご確認ください。
下痢は、嘔吐や誤食と同時に起こることもあります。心配な場合はあわせてご確認ください。