犬・猫のケガ・外傷について(夜間の受診の目安)
交通事故・喧嘩・高所からの落下・家具に挟まれる・爪や皮膚の裂傷など、
犬や猫のケガは夜間にも突然起こります。
見た目が軽そうでも、骨折・内出血・肺の損傷・咬傷感染などの重いダメージが隠れていることがあります。
迷ったときは、ケガの写真や歩き方の動画をお電話でご相談ください、緊急度判断のお手伝いができます。
① すぐに受診したほうがよい外傷(出血・咬傷・交通事故・落下)
次のような場合は、できるだけ早く受診をおすすめします。
■ 出血・傷に関する危険サイン
- 夜に急に出血して止まらない
- 咬まれた・喧嘩した直後から腫れてきた
- 血が止まらない、またはポタポタと落ち続けている
- 傷口が深い、ぱっくり開いて中が見えてしまっている
- 体や床に大量の血がついている
- 事故や落下のあと、ぐったりしている
- 他の犬や猫に咬まれた傷(見た目が小さくても内部が重症のことが多い)
■ 骨折や関節の異常が疑われるサイン
- 足を完全に着けない(三本足で歩く、まったく体重を乗せない)
- 触ると強く痛がる・怒る・鳴く
- 関節や四肢が腫れている、急速に腫れが大きくなっている
- 足や関節が不自然な方向に曲がっている
■ 胸・お腹に関する緊急サイン
- 呼吸が速い・浅い・苦しそうに見える
- お腹が張っている、触ると強く痛がる
- 車にぶつかった・高いところから落ちたなど明らかな外傷歴がある
外傷は見た目の重さと実際の重症度が一致しないことが多い症状です。
特に咬傷・落下・交通事故は、軽傷に見えても重症である場合が少なくありません。
② 様子見できそうに見えても、相談をおすすめしたいケース
一見軽く見えても、次のような場合は注意が必要です。
- 少量の出血だが、じわじわと止まりにくい
- 傷は浅そうだが、土や汚れが入り込んでいる
- 歩けるが、少しびっこを引いている・いつもと歩き方が違う
- 爪が折れた・根元から血が出ている
- 一度は落ち着いたが、その後にふらつきや元気の低下が出てきた
- 喧嘩のあと、小さな穴のような傷だけが見える(咬傷は内部が深いことが多い)
外傷は時間とともに腫れ・感染・痛みが悪化していくことがあります。
「とりあえず今夜は様子を見よう」で悪化してしまう前に、一度ご相談ください。
③ 自宅で絶対に避けてほしいこと
- 傷口を強くこする(かさぶたをはがしたり、組織を傷めます)
- 市販の消毒薬を大量にかける(皮膚を傷め、治りを悪くすることがあります)
- 人間の薬(痛み止め・抗生剤など)を使う
- 骨折や脱臼が疑われる部位を無理に動かす・引っ張る
- 出血があるのに長時間そのまま放置する
特に人間用の痛み止め(ロキソニンなど)は、犬や猫では中毒を起こすことがあります。絶対に自己判断で使用しないでください。
④ 受診前に確認してほしいこと(できる範囲で構いません)
診察をスムーズにするため、可能なら次の点を確認しておいてください。
- ケガをした状況(交通事故・喧嘩・落下・挟まった など)
- 出血の量や、どのくらいの時間続いているか
- 歩き方の変化(びっこ、足をつかない、ふらつきなど)
- 傷の写真
- 呼吸の様子(速い・苦しそう・普段通りか など)
- ケガをしてからの時間経過
- 持病や服薬の有無
写真や歩き方の動画をお電話でご相談いただければ、緊急度の判断にとても役立ちます。
⑤ ケガ・外傷で考えられる主なリスク
- 骨折・脱臼
- 肺挫傷(胸を打ったことで肺が傷つく状態)
- 腹腔内出血(お腹の中の出血)
- 咬傷による感染症・膿瘍(内部が壊死していることもあります)
- 神経損傷(麻痺や感覚異常)
- 異物誤飲が絡んでいる場合の腸閉塞
見た目の傷が小さくても、内部には大きな損傷があるケースがあります。
「大したことなさそうに見えるけれど不安」という段階でご相談いただいて構いません。
⑥ 迷ったときは、まずはお電話でご相談ください
「深刻なケガなのか判断がつかない」「受診したほうがいいか迷っている」「どの程度の検査や治療・費用が必要になりそうか知りたい」といった場合は、
状況をお電話でお聞かせください(写真や動画がある場合はお電話の際にお伝えください)。
いただいた情報をもとに、緊急度の目安や受診の必要性について、できる限りわかりやすくお伝えします。
※ 本ページは、夜間救急に従事する獣医師の臨床経験をもとに作成しています。
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ケガ・外傷は、呼吸が苦しいや嘔吐が同時に起こることもあります。心配な場合はあわせてご確認ください。